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kirakira na toki

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Crescent...18
2007年 01月 15日 |
カーテンも閉めたままの部屋。
私・・・何を待っているんだろう?

家族でも友だちでも…ましてや恋人でもない。
「きっとここに戻ってくるから…待っいて…」
そのひと言で…今こうして、ひとりで彼を待つ。

この先には何が待っているの?
一瞬のぬくもりの後の、果てしない孤独。
私は自分で自分を抱きしめた。

ここには居られない!!次の瞬間、私は部屋を飛び出していた。






どこに行けばいい?
ここは、韓国・・・
こんな時に逃げ出す場所さえ、見つけられない。

気づくと、私はロビーまで降りて来ていた。
周りを見回して、人気のない隅の方のソファに腰を下ろす。
ぼんやり見つめる人々の流れ…みんなどこに行くんだろう。

恋人や家族が待つ場所に帰るのだろうか?
しばらく時を過ごし…ふと我に返った。

・・・私、彼の部屋のキーを持って来てない・・・
これは、『彼のことを待つな』っていう事なのかもしれない。
神様が、そう私に告げているような気がして、微かな何かに期待していた自分が…無性に滑稽に思えた。
帰ろう…今は、とにかく自分の部屋に帰ろう…
力を無くした手足に、辛うじて立ち上がるだけの気力を送り込み…トボトボと自分の部屋を目指した。

「もしもし?」
「・・・三沙子?」
「もしもし?・・・もしかして・・玲那なの?!」
「…うん」
「声…ねぇ、声どうしたの?」
「何か出るようになったよ…」
「・・・・・・」
「…三沙子?もしもし?」
「玲那の声、そんなに間が抜けてたっけ?」
憎まれ口を叩く声が、微かに震えていた…三沙子・・・
「間が抜けてるって何よ?!」
私は気づかないふりをして、明るい口調で返した。
「間抜けだから…間抜けって言っただけよ・・・」
「三沙子…ありがとうね」
「なっ何よ、あらたまっちゃって?」
「ん?何となくよ…ただ言いたかっただけ!じゃあ切るよ…」
「うん…おみやげ待ってるわ」
「分かってる。じゃあね…」
「…玲那!楽しんでおいでよ!!」
ツーツーツー
三沙子の声が消えても、受話器を持ったまま…しばらく動けなかった。
三沙子…
ねぇ…私、どうしたらいい?
このままここに居て、彼に会わずに日本に帰った方がいい?
きっとそうだよね…
彼女との会話は、一瞬だけ私を現実に引き戻したに過ぎなかった。

頭では、そう分かっていても、私の心は叫び続けている。
逢いたい…逢いたい…逢いたい…彼に逢いたいと・・・・・・
by pink_pink_opal | 2007-01-15 00:00 | Crescent |