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kirakira na toki

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2007年 10月 18日 |
事務所の会議室・・・

ビョンホンは、まだ雑用が残っていると言うスジョンを待っていた。

自分に何の話があるのか・・・

あの時のスジョンの真剣な眼差しを、ビョンホンは思い出していた。

コンコンッ

ドアをノックする音に顔を上げると、ゆっくりとドアが開いてスジョンが顔を覗かせる。

「オッパ・・・少しだけ、イイですか?」











「あぁ・・・スジョン。どうした?」

「あの・・・」

「・・・・・・」


スジョンの口から語られた言葉は、ビョンホンを激しく動揺させるものだった。


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「スジョンさん・・・ここって?」

「そうなの・・・今夜の私が主役の打ち上げは、ここでやることになったのよ」

「でも・・・」

「さぁ、入ってて・・・」

「スジョンさん?」

「私は、これからドンワンを迎えに行くから・・・みんな、中で待ってるわ」

「ひとりじゃ・・・」

「大丈夫よ・・・ハルカが来ること、ちゃんと知ってるから・・・」

「うん・・・」

「中は、分かるよね?」

「えぇ・・・早く戻ってきてね?」

「分かってるわ・・・」


スジョンと別れたハルカは、懐かしい思いに囚われながら一歩一歩進んでいった。

ここは、1年前に撮影で使った場所・・・

あの日・・・

初めて、この場所で・・・

・・・出逢ったんだ。

あの日と変わることなく、咲き誇る桜に、胸が痛くなる。



いつの間にか溢れていた涙で、ライトアップされた桜がぼやけていく・・・

「どうして・・・こんなことになったんだろうね?」

「もう一度、あの日に戻れたら・・・どんなに良いか・・・」

「ねぇ・・・」

見上げる桜の花たちに話しかけながら、ハルカは涙を流し続けた。

「戻りたい・・・」


「戻れば良いじゃないか?」

「・・・誰?」

不意に背後から聞こえた声に、驚いて振り返る。

「ハルカ・・・」

「・・・どうしてここに?」

「ハルカと、もう一度・・・ちゃんと話したくて・・・」

「・・・・・・」

「話すことなんて・・・」

「全部、聞いたんだ・・・スジョンから・・・」

「!」


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「スジョン、話って?」

スジョンの表情が暗いので、ビョンホンは努めて明るく問いかけた。

「はい・・・・あの、私の大切な人が、とても苦しんでいるみたいなんです・・・それが、もしかしたら・・・うぅん、私のせいだって分かって、どうしたら良いのかって・・・」

「最初から、順序だてて話してくれないか?今のじゃ分からないよ・・・」

「私・・・去年、倒れたでしょう?」

「あぁ・・・」

「ドンワンを妊娠して、流産しそうになって・・・倒れたんです」

「そうだったな・・・それが、何か関係あるのか?」

「入院していた私の所に、電話がかかってきました・・私、その時は・・・ショックなことが続いていて・・・」

「・・・・・・」

「予想外の妊娠が分かった上に、もしかしたら流産するかもしれない・・・それが分かって混乱している両親を、必死で彼と宥めたり・・・」

「そうだったのか・・・」

「電話がかかってきた時も、私・・・もう彼と別れなくちゃならないかもって泣いていて・・・電話の話も上の空で聞いていたんです」

「・・・・・・」

「どうしても伝えたいことを、何とか伝えようとしていたんだと思います。ただ・・・ストレートに言えずに、苦しそうだった・・・今、思い出すと・・・」

「・・・それは、誰からの電話だったんだ?」

「真実を話したら迷惑をかけるかもしれない・・・だから、ハッキリとは言えなかった・・・今なら分かるのに・・・」

「・・・・・・」

「その人は、電話でこう言いました。大切な用事で、自分はいなくなること・・・連絡できなくて、すまないって・・・お世話になりましたって・・・あの時の私には、暗号みたいに思えて・・・そのうちに、伝えるのを忘れてしまった・・・」

「・・・スジョン、もしかして、それは?」
by pink_pink_opal | 2007-10-18 16:54 | Current |